2026.07.24
Zoomの画面共有で失敗しないための設定と準備|セキュリティリスクを防ぐポイント
オンライン会議やウェビナーで使う機会が多いZoomの画面共有。資料を見せたり、操作画面を共有したりできる便利な機能ですが、使い方を間違えると、思わぬトラブルにつながることがあります。
たとえば、画面全体を共有したことで、ブラウザのタブや検索履歴、チャット通知、デスクトップ上のファイル名まで参加者に見えてしまうケースです。発表者側は資料だけを見せているつもりでも、参加者には別の情報まで映っている場合があります。
米国国立標準技術研究所(NIST)は、オンライン会議の盗聴やプライバシー保護に関する記事の中で、
- 不要な機能は無効にすること
- 必要に応じてチャット・ファイル共有・画面共有を制限すること
- 画面共有前に機密情報を誤って共有しないよう注意すること
を案内しています。(参考元:NIST)
また、ACM Computing Surveysのユニファイドコミュニケーションに関する調査論文でも、ビデオ会議のセキュリティ対策として、暗号化、待機室、パスワード保護、参加者確認などに加え、ファイル共有や画面共有が意図しない機密情報の開示につながる可能性に触れています。(参照元:ACM Computing Surveys)
Zoomの画面共有では「相手に画面が見えていればよい」だけではありません。何を、どの範囲で、どのタイミングで見せるのかを事前に確認しておく必要があります。
この記事では、Zoomの画面共有で知っておくべき設定とトラブルを防ぐための注意点について解説します。
Zoom画面共有の基本的な機能
Zoomの画面共有には、いくつかの共有方法があります。共有の方法によって映される画面は変わります。
たとえば、画面全体を共有すれば操作の流れを見せやすい一方で、通知やデスクトップ上のファイル名まで映る可能性があります。アプリケーションウィンドウやブラウザタブだけを共有すれば、見せる範囲を限定できます。
まずは、Zoomで使える主な画面共有の種類を確認しておきましょう。
画面全体の共有
画面全体の共有は、パソコンやモニターに表示されている画面全体、つまり画面に映っているすべてを共有する方法です。資料、ブラウザ、アプリ、デスクトップなど、表示している内容をそのまま共有できます。
複数の資料を切り替えながら説明したい場合や、操作手順を見せたい場合に使いやすい方法です。ただし、画面全体を共有すると、開いているウィンドウや通知、デスクトップ上のファイル名なども参加者に見える可能性があります。社内チャットやメール通知、見せたくない資料が映り込まないよう、共有前に画面を整理しておきましょう。
アプリケーションウィンドウの共有
アプリケーションウィンドウの共有は、PowerPoint、Word、Excel、ブラウザ、PDFビューアなど、特定のアプリだけを参加者に見せる方法です。見せる範囲を限定できるため、余計な画面や通知が映り込みにくい点がメリットです。
ただし、共有しているアプリとは別のアプリに切り替えると、参加者側には切り替え先の画面が表示されません。
ブラウザタブの共有
ブラウザタブの共有は、Google Chromeなどで開いている特定のタブだけを参加者に見せる方法です。以下の流れで特定のタブだけを見せられるため、別のタブやブックマーク、ほかのアプリを見せずに済みます。
ただし、別のタブに移動して説明したい場合は注意が必要です。共有しているタブ以外に移動しても、参加者には元のタブだけが表示されます。Webページを複数見せたい場合は、別の方法で共有しましょう。
ファイルの共有
Zoomでは、ファイルを選択して共有する方法もあります。Google Drive、Microsoft OneDrive、Dropboxなどのクラウドサービス上にあるファイルを共有できるため、資料を参加者に見せたい場合に使えます。
ただし、資料の形式や保存場所、アクセス権限によっては、思った通りに表示できないことがあります。 重要な資料を使う場合は、本番前に一度開いて表示を確認しておきましょう。画面共有中にファイルを探したり、ログイン操作をしたりすると、進行が止まる原因になります。
詳細の共有
Zoomの画面共有には、詳細設定から選べる共有方法もあります。画面の一部だけを共有したり、動画共有に向けた設定を使ったりできます。
詳細の共有は、通常の画面共有だけでは対応しづらい場面で役立ちます。たとえば、画面の一部分だけ見せたいときや、参加者に見せる範囲を細かく調整したいときに使えます。ただし、詳細設定は便利な反面、設定を間違えると「見せたい部分が映らない」「音が出ない」「動画がカクつく」といったトラブルにつながる場合があります。
配信やセミナーで使う場合は、本番前に必ずテストしておきましょう。
Zoomの画面共有で知っておきたい設定
Zoomの画面共有では、共有する画面を選ぶだけでなく、レイアウトや音声、動画向けの最適化なども設定できます。これらの設定を理解しておくと、参加者に見せたい内容をより伝えやすくなります。
一方で、設定を間違えると「音が出ない」「動画がカクつく」「画面がぼやける」といったトラブルにつながる場合もありますので注意してください。
ここでは、画面共有時に知っておきたい代表的な設定を紹介します。
レイアウト
Zoomでは、画面共有時にプレゼンターの映像と共有コンテンツの見せ方を調整できます。たとえば、資料だけを大きく見せるのではなく、発表者の映像を画面内に重ねたり、資料と発表者を並べたりすることができます。
レイアウトによっては、発表者映像や共有画面のサイズ、位置も変更できます。
サウンドを共有
動画ファイル、Web上の動画、音声付きスライド、BGMなどを流す場合は、画面共有時にサウンド共有を有効にしておきましょう。画面を共有していても、この設定をオンにしていないと、参加者にパソコン側の音が聞こえません。
特にオンライン研修やイベントでは、「映像は見えているのに音だけ聞こえない」というトラブルが起きやすいです。動画や音声を使う予定がある場合は、本番前に参加者側で音が聞こえるかテストしておきましょう。
ビデオ共有に向けて最適化
Zoomの画面共有時に表示される「ビデオ共有に向けて最適化」は、動画をなめらかに見せるための設定です。
「最適化」という言葉だけを見ると、画質がきれいになる設定のように感じるかもしれません。しかし、この設定は画質を上げるためのものではありません。パソコンや通信への負荷を抑えながら、映像の動きをできるだけ滑らかに表示するための機能です。
そのため、動画を流す場合には有効ですが、PowerPointやPDFなどの資料を共有するときには注意が必要です。文字や静止画中心の資料でこの設定をオンにすると、画面がぼやけて見える場合があります。
画面共有時の解像度については、以下の記事も参考にしてください。
Zoom画面共有時のよくあるミスと対策
Zoomの画面共有は便利ですが、設定や共有範囲を間違えると、見せたい画面が映らなかったり、反対に見せたくない情報まで参加者に見えてしまったりします。
ここでは、Zoomの画面共有でよくあるミスと対策を解説します。
共有中に余計な画面やアプリが映り込む
画面全体を共有している場合、その画面に表示されているものは基本的にすべて参加者に見えます。ブラウザのタブ、検索履歴、チャット通知、デスクトップ上のファイル名なども映る可能性があります。LINEや社内チャットの通知が出れば、その内容まで見られてしまいます。
セキュリティの観点からも、画面全体の共有はできるだけ避けたほうが良いです。資料だけを見せたい場合は、アプリケーションウィンドウやブラウザタブの共有を使いましょう。
デスクトップがそのまま映ってしまった
画面全体を共有したまま資料を閉じたり、別の画面に切り替えたりすると、デスクトップがそのまま映ることがあります。デスクトップ上にファイルやフォルダが並んでいると、案件名や資料名まで見えてしまうかもしれません。
情報漏洩などのリスクもあるため、見せたい資料だけを共有するほうが安全です。
共有したい画面が切り替わらない
アプリケーションウィンドウで共有している場合、参加者に見えるのは選択したアプリだけです。たとえば、PowerPointを共有している状態で別のツールやブラウザを開いても、参加者側には表示されません。
Chromeタブ共有も同じです。指定したタブだけが共有されるため、別のタブを開いても参加者には映りません。
複数の画面を切り替えながら説明する場合は、画面全体の共有を使ったほうが良いです。
共有するモニターを間違える
デュアルモニターなど、複数の画面を使っている場合は、共有するモニターを間違えないように注意してください。
Zoomで画面共有を選ぶと、「画面1」「画面2」のように複数の共有候補が表示されます。多くの場合、どちらか一方には共有したい資料やスライドが表示され、もう一方にはZoomの画面や何も表示していないデスクトップが映っているはずです。このとき、誤って資料が表示されていないモニターを選ぶと、参加者側には何も映らなかったり、意図しない画面が表示されたりします。
複数モニターを使う場合は、画面共有を始める前に、共有したい資料がどちらの画面に出ているかを確認しておきましょう。
スライドの発表者ツールが出てしまう
PowerPointなどで発表者ツールを使う場合、共有画面を間違えると、参加者に発表者ノートが見えてしまうことがあります。発表者ノートには、話す内容のメモや内部向けの補足が書かれている場合もあるので注意してください。
スライドを共有する際は、参加者に見せる画面と、自分だけが見る画面を分けて確認しましょう。
動画の音が出ない
動画や音声付き資料を共有しているのに音が出ない場合、「サウンドを共有」が外れている可能性があります。動画、BGM、音声付きスライドを使う場合は、画面共有時に「サウンドを共有」を有効にしておきましょう。
画面共有したら画面が固まってしまう
画面共有を始めた途端にZoomが重くなったり、画面が固まったりすることがあります。画面共有は通常の会話よりもパソコンや通信環境に負荷がかかるため、接続状況や端末の状態によっては動作が不安定になります。主な原因としては、以下が考えられます。
- Wi-Fiの電波が弱い
- テザリングやフリーWi-Fiを使っている
- 社内Wi-Fiに接続が集中している
- Google DriveやDropboxなどの同期アプリが動いている
- ブラウザのタブを大量に開いている
- 裏で大容量ファイルのアップロードやダウンロードをしている
- パソコンのメモリやCPU性能が不足している
原因と対策について、以下の記事でくわしく解説していますのでそちらも参考にしてください。
黒い四角が出る
Zoomの画面共有中に、共有画面の上へ黒い四角が出ることがあります。この黒い四角は、共有画面に重なっているアプリの形です。
過去にフリートで検証したところ、共有する側のパソコンの負荷が関係していると考えられました。Webブラウザや他のアプリを大量に開いていると、発生しやすくなります。
くわしくは以下の記事を参考にしてください。
画面共有のトラブルを防ぐ5つの対策
Zoomの画面共有トラブルは、本番中の操作だけが原因ではありません。事前準備ができていないことで、余計な画面が映ったり、資料を探す時間が発生したり、音声や表示の確認が遅れたりします。
以下では画面共有時にトラブルを防ぐ5つの対策を紹介します。
発表時にできるだけ余計なものを開かない
画面共有を行うときは、発表に使わないアプリやブラウザを閉じておきましょう。不要な画面を開いたままにしていると、切り替え時に映り込んだり、通知が出たりする可能性があります。
パソコンの動作が重くなる原因にもなるため、発表に必要なものだけを残しておきましょう。
メッセージアプリなどは開かない
INE、Slack、Chatwork、Teams、メールなどのメッセージアプリは、画面共有前に閉じておきましょう。通知が出ると、相手の名前やメッセージ内容が参加者に見えてしまう場合があります。
社内のやり取りや顧客情報が映ると、セキュリティ面でも問題になります。通知をオフにするだけでなく、アプリ自体を閉じておくほうが安全です。
共有する資料は事前に開いておく
発表で使う資料は、画面共有を始める前に開いておきましょう。本番中にファイルを探すと、デスクトップやフォルダ名、検索履歴などが映ってしまう可能性があります。
また、ファイルが見つからない、ログインが必要だった、表示が崩れていた、といったトラブルも起こりやすくなります。PowerPoint、PDF、ブラウザページ、動画などは、事前に開いて表示確認まで済ませておくとスムーズです。
どのタイミングで何を表示させるのか明確にしておく
複数の資料や画面を切り替える場合は、どのタイミングで何を見せるのか決めておきましょう。「最初はスライド」「途中で動画」「最後にWebページ」のように流れを整理しておくと、共有範囲の切り替えで迷いません。
画面全体を共有するのか、アプリケーションウィンドウを共有するのか、ブラウザタブを共有するのかも事前に決めておくと、本番中の操作ミスを防げます。
リハーサルの徹底
面共有を使うセミナーや配信では、事前のリハーサルを行いましょう。発表者側では問題なく見えていても、参加者側では画面が見えていない、音が出ていない、動画がカクついている、ということがあります。
フリートでも、リハーサルを徹底しています。リハーサルの重要性や流れについては、以下の記事で紹介しています。
Zoomのセキュリティリスクに備えた対策を!
Zoomの画面共有は便利ですが、共有範囲を間違えると、チャット通知、検索履歴、デスクトップ上のファイル名、社内資料などが参加者に見えてしまう可能性があります。特に、ウェビナーや説明会、学会、社外向けの発表など、公の場で画面共有をミスすると、信用低下や情報漏えいにつながる恐れもあります。
そのため、画面共有の機能の違いを理解して使い分けることが必要です。
とはいえ、自社だけで共有ミスを防ぎ、リハーサルや当日のトラブル対応まで行うのは簡単ではありません。
フリートでは、Zoomを使ったオンライン配信やウェビナー運営をサポートしています。画面共有の設定確認、事前リハーサル、当日の進行補助まで任せたい場合は、ぜひご相談ください。
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